中国伝来のものが多いなかで、畳は日本固有の敷物。その歴史は重「菅畳八重」「皮畳八重」などの記述がある古事記にもさかのぼります。まだ畳床などはなく、コモなどの敷物を重ねたものと推測されます。現在の構造になったのは平安時代。板敷に座具や寝具として置くという使い方で、使う人の身分によって畳の厚さやへりの柄・色が異なりました。
鎌倉時代から室町時代にかけ、書院造りが生まれて、部屋全体に畳を敷きつめる使い方に発展しました。桃山時代さらに江戸時代に至るなかで、数寄屋造りや茶道が発展して普及し、徐々に町人の家にも畳が敷かれるようになりました。庶民が使用できるようになったのは江戸時代中期以降。畳師・畳屋と呼ばれる人々が活躍し、畳干しする家々の光景があちこちで見られるようになりました。
い草の内部は六角形が重なった蜂の巣に似た形状になっており、無数の小さな部屋の様になっています。表面の気孔から湿気を吸い取り、スポンジ状のい草の内部が吸収することで空気中のホルムアルデヒドを吸着し室内の空気を浄化してくれます。
い草は非常に高い吸湿性を備えています。湿気の多い部屋では水分を吸収しカラッと爽やか、乾燥した場合には、蓄えた水分を放出する特性を備えています。畳の部屋が夏涼しく冬暖かく感じると言われるのはい草の優れた湿度調整機能が理由とされています。畳一帖分の自然吸湿能力は約500ml。
い草は悪臭の原因となる化学物質を吸着する効果がおります。汗臭や気になる足の臭いなどを軽減し気持ち良い空気環境に整えていきます。
5センチほどの厚さの畳床には空気がしっかり詰まっています。空気は熱を伝えにくい性質があります。つまり畳は冷たい空気をシャットアウトし、たくわえた熱を逃がさない羽毛布団のような機能です。だから暖かく心地よいのです。
畳のすがすがしく懐かしい香りはい草によるものですが、香りには鎮静効果があります。また東大工学部の研究によって、い草が人体にあまりよくない二酸化ちっ素を吸着する働きがあることがわかっています。畳は空気を浄化しながら、森林浴と同じようなリラックス効果をもたらしてくれくのです。
畳の部屋は他の部屋に比べて、静けさを感じます。こらは視覚的に「落ち着き」を感じるのではなく、実際に畳床の空気が余計な音を吸収してしまうからです。衝撃を弱くする弾力性に」加え、吸音効果があるから、畳の部屋はいつも静かで、乱暴に歩いても振動や足音が弱まるのです。
畳一帖分に使用されるい草は約4000~5000本、高級なものになると7000本のい草が使われます。畳一帖分、2m8㎝の長さの糸が136本も使われ、一時間弱で編み上げられます。
京間(本間)
95.5×191.0×5.5㎝
主に近畿・中国・四国・九州で使用
中京間(三六間)
91.0×182.0×5・5㎝
主に愛知・岐阜・三重で使用
関東間(五八間) 江戸間・田舎間ともいう
88.0×176.0×5.5㎝(または6.0)
主に静岡以北で使用
団地間(五六間)
五八間より小さい
一定の基準はないが85.0×170.0くらい
◆尺をメートルになおす場合は
3.03倍して10で割ります。
たとえば 6尺3寸(本間)をメートルになおすと
630×3.03÷10=190.89 約1m91㎝になります。
◆メートルを尺になおす場合は
1割加えて3倍します。
たとえば 191㎝を尺になおすと
191+19×3=630 6尺3寸になります。
176㎝だと
176+17.6×3=580.8 約5尺8寸(五八間)になります。
ご参考にされて下さい。